細井研究室

立命館大学

立命館大学:映像学部

立命館大学:政策科学部

 

IGDA Japan

DIGRA

 

知の編集工学
松岡正剛著、朝日新聞社、1996年

この本は「編集工学」という方法に関する入門書となることをめざしつつ、「編集は人間の活動にひそむ最も基本的な情報技術である」という広いテーマを展開するものとなっている。インターネット等で大量の情報を得られる今、考える技術である編集工学について読んでみることをお勧めします。

 

第一部 編集の入り口
第一部は「ゲームの愉しみ」「脳という編集装置」「情報社会と編集技術」の三つの章からなっており、あらゆる観点から編集について書かれている。第一章では編集とは映像の切り貼りや本や雑誌、新聞記事などにタイトルやヘッドラインをつけることだけにとどまらず遊びを基本としどこにでもあるものであることが述べられている。

 

また編集の仕組みがどのように発生してきたかについて、言葉と連想ゲームやコンピュータと人間の違いを用いて説明している。第二章では編集の仕組みとかかわる人の脳について考え方や記憶といったものの説明がなされている。第三章では現代のマルチメディアがハード的な情報化がなされているのに対しソフトウェア的な編集化がなされていないことに言及し古代の情報管理システムといえる物語や経済、文化、歴史の中から編集について述べられている。

第二部 編集の出口
第二部は「編集の冒険」「複雑な時代を編集する」「方法の将来」の三つの章からなっており、編集することや編集されたものについて書かれている。第四章では編集の種類や方法、対象について述べ編集工学の技法上のガイドラインがまとめられている。第五章では編集工学を使い世界観の編集がどのように出来るかについて書かれている。

 

また世界の神話や物語の中に共通してある七つの物語の基本的なものや<エディトリアリティ>と呼ぶ民族や文化を超えて存在する共通する感覚的なものを通して編集工学が「主体的でない」ことを説明している。第六章ではコンピュータを使った編集についてと編集の創発性や編集的分節化を編集とは何かということに対する答えとして最後にあげられている。

 

 

 

 

Return to References

 

 

 

 

 

 

 

Copyright(c)1998-2008 Game Archive Project,All rights reserve