本書は、デジタルコンテンツ、つまりweb上で非常に用意に流通させることが出来る様々な情報についての著作権について、次の二点を柱として論を進めています。一つ目は、webというメディアと著作権についてどういった問題が存在しているのか、ということ。二つ目は、その問題を解決する際にはどれだけ新たなアプローチが可能であるのか、ということです。これらについて、全六部構成で述べられています。
第1部 新たなメディアとしてのウェブ
ここではインターネットのウェブというものが、具体的には既存の他のメディアとはどのように異なっているのか。そしてその出現はどんな可能性を秘めているのか、ということについて、その構成要素や前史、特性などの観点から述べられています。
第2部 デジタルネットワーク時代の著作権
二部では本書の前提のもう一方を担う著作権について、その概念や歴史的変遷とウェブなどのデジタルメディアの登場に伴う変化について、書かれています。
第3部 ウェブメディアをめぐる著作権の現在
三部はウェブサイトの具体的な特性について説明された後、実際のサイト上で発生した著作権問題とそれについての対応、及び音楽著作権やそれを利用するユーザーの著作権に式について、考察しています。
第4部 ウェブ上の著作権システムを確立する新技術
四部では、ネット上の著作権を保護したり、流通に対してコントロールを加える新たな技術について、それぞれの技術の特徴やそれに伴う新たな流通の仕組みについて論じられている。
第5部 台頭する新しいビジネスモデル
続く五部では、四部で論じられた新たな技術によって生まれた、新たなビジネスモデルについて具体例を挙げながら述べられている。
第6部 コピーライトを超えて…
最終部では法制度として捉えられてきた著作権とは別に、ウェブ上に新たに生まれたコンテンツの共有や情報交換のルールが生成しうる可能性について考察されている。
(文責:吉野 友規)
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