本書は、音楽・アニメ・ゲーム産業からの関係者、専門家のインタビューを通して現在おきているコンテンツの消滅について述べている。
Chapter1はファイル共有ソフトが社会に与えた影響とファイル共有ソフトをビジネスとして成立させようとした動きについての紹介、後半はウィニー弁護団事務局長とのインタビューである。
Chapter2はゲーム産業のクリエーターのインタビューを中心として日本のゲーム史とオンラインゲームの問題点と可能性について紹介している。
Chapter3は「ネット配信」に揺れる日本音楽産業とアメリカでの動きをあげ日本の音楽産業が激しい変革期に突入していることを論じている。
Chapter4は日本とアメリカのアニメ産業を比較し、フルCGアニメの技術を国内で蓄積しているアメリカに対して空洞化が進む日本のアニメ産業について考察している。
Chapter5は「クリエイティブ・コモンズ」についての説明、そして「知財を文化的財産、経済的財産だけではない見方が必要ではないか」と述べている。
ファイル共有ソフト、ゲーム、アニメの分野については過去から現在までの流れをインタビューを交えて紹介しておりその分野を詳しく知らない人にも理解しやすい内容になっている。また専門家・業界関係者のインタビューは興味深いものが多数あり、一読の価値がある。
目次
Introduction
Chapter1破壊か創造者か?ー海賊版があふれる世界
Chapter2ゲームクリエーターはどこへ行った?ー衰亡する日本のゲーム産業
Chapter3音楽産業を守り抜けーレコードメーカーに未来はあるのか?
Chapter4サイバー時代の労働者たちー空洞化がとまらない日本のアニメ産業
Chapter5知財戦争の最終ゴールークリエイティブ・コモンズとは何か?
Afterthoughts
(文責・景山)
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