現在、ソニーが展開する事業の中で中核を担うまでに成長したゲーム部門。 そのゲーム部門で中心を担ってきたのがいわずと知れたプレイステーションである。
そして、そのPSでゲームビジネスの覇権を握ったソニーが、次の段階へと推し進めるべく登場させた旗手こそが後継機プレイステーション2である。 PS2は、PSよりも格段に高性能になり、PSとの下位互換やDVD再生機能さらにはインターネットへの接続を果たすなど、もはやゲーム機の枠を超えたマルチ情報機器への変貌を遂げたと言っても過言ではない。そして、その意図するものは、ソニーが目指そうとしている将来への足がかりとして、PS2が極めて重要な位置づけに置かれていることを意味している。本書は、ソニーがどういった将来像を導き出した上で、どのような戦略を掲げ、組織改革を行なっていったのか。また、PSから派生してきたこの一連のプロジェクトをどう次につなげていこうとしているのかを前半から後半にわたって解説し、また後半の中では、ウォークマンやAIBOといった独創的な商品を発表してきた実績、個性的な人材を送り出してきた社風、個性を生かす人事についても触れ、ソニーの経営姿勢についても理解できる構成となっている。この一冊からソニーがPS2を軸とした21世紀に目指そうとしている企業戦略の一端について少なからず垣間見ることができるだろう。
<目次>
第一章 プレイステーション2のソニーIT戦略
第二章 PS2でソニーが挑むビジネス構造変換
第三章 情報覇権への組織改革
第四章 ヒット商品を生み出すソニー・スピリット
第五章 ヒューマン・リソースを活かすソニー経営
(文責:新道)
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