細井研究室

立命館大学

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電視遊戯時代~テレビゲームの現在~
枡山寛 株式会社ビレッジセンター出版局、1994年

テレビゲーム関連本は数多くあるが、そのなかでも見るべきものはそう多くないが、この「電視遊戯時代」は強くお勧めしたい一冊だ。1994年に発行されたものでありながら、今でも問題になっている話題が多く、先を見据え出版されたものであると感じた。特に、第1章、第4章、第5章についてはテレビゲーム学を考えるにあたって格好の資料にもなりうるものだといえる。

 

現在では残念ながら、絶版になっているが「ビットジェネレーション展」では手に入れるチャンスもあるようだ。


第1章 テレビゲームの歴史
大学の研究室のミニコン上で作られたという「世界最初のテレビゲーム」から始まり、「ポン」、「ファミコン」にいたるまでの歴史が年表(1958~1991)と共に紹介されている。このコンテンツでは、あまり一般的に知られていないファミコン以前のテレビゲームの歴史が詳細に記されている。

第2章 1993年のテレビゲーム
発売当時、1993年のテレビゲームにまつわる出来事を「ビジネス・アーケード・家庭用・パソコン」にわけ展望している。

第3章 テレビゲームからマルチメディアへ
32bitのゲーム機が登場し始めた1994年ごろの「テレビゲーム」から「マルチメディア」への転換機であることを見据えた内容になっている。「インタラクティブムービーの系譜」、「てんかん問題とテレビゲームの有害性?」、「日本文化としてのゲーム」など60個ほどのコンテンツから多面的にテレビゲームを解析している。

第4章 テレビゲームをめぐって
テレビゲームを題材にしたエッセイ、論考、インタビュー集である。社会学者や精神医学者、ジャーナリズム、美術キュレーター、テレビゲームのクリエーターや営業の現場など多彩にして、豪華なゲストで構成されている。

第5章 電視遊戯大賞1994
1994年のゲームを例にとって、テレビゲームの評価を考える内容になっている。独自の公正な評価軸を設定することによってゲームの評価に新しい考え方を導入しようとしている。

データ篇
用語解説、索引、「テレビゲームミュージアムプロジェクト」について、執筆者紹介が記されている。

 

 

(文責:福田 一史)

 

 

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