DIEC 2005 game++7
コンピューター技術を駆使した新しい「遊び」、例えば「テニス・フォー・ツー」のような仕組み、が大学研究施設などで創作されはじめたのは半世紀あまり前 であった。その歴史の中で、デジタル・インタラクティブ・エンタテインメントは様々な形態へと変化してきた。当初、一部の知識層で流行した「粋な遊び」 は、大衆が手軽にたのしめる「ハイテクなゲーム」となり、やがてそれはお茶の間にまで進出し子供たちを中心に社会現象に発展していったのである。
作り手側は、この新しい形のエンタテインメントが生まれた当初から、技術的に限られた制限の中でメッセージを発信するべく様々な努力を行ってきた。記号と 符号、そしてテキストを連動させ、不足した部分は受け手の想像力で補完させるというストーリテリングは予想以上に人々に影響を与え、デジタル・インタラク ティブ・エンタテインメントは静かに、しかし確実にメディアとしての位置づけを社会の中で確立していくことになる。
そして、現在のデジタル・エンタテインメントは、受け手を文字通り別の世界に誘う力量を獲得するようになったといえる。グラフィック、サウンド、インター フェイスの紡ぎだす世界は人々に既存のメディアでは決して味わう事の出来ない体験を与え始めており、いまやデジタル・インタラクティブ・エンタテインメン トは幅広い世代に受け入れられ、巨大な産業を形成するまでになっている。
本シンポジウムは、不断に発展をつづけるデジタル・インタラクティブ・エンタテインメントについて、その原点から現在まで実際に携わった「生き証人」とも 言える開発者が一堂に会し、自身の経験を中心に討論していただく。そして、そこから、次世代家庭用ゲーム機の登場という新たなステージに移りつつあるこの 分野がどのように変容していくのか、そしてそれがメディアとして、またエンタテインメントとして、社会に対してどのような意義と影響をもたらしていくのか を探っていきたいと考えている。
主催:立命館大学 衣笠総合研究機構/映像文化学部(仮称)設置委員会
基調講演 「インタラクティブ・エンタテインメントのデザイン展望」
・武邑光裕氏(立命館大学チェアプロフェッサー、札幌市立大学設置準備室教学研究担当部長 )
シンポジウム 第1部 「ゲームデザイン・テクノロジーの源流」
・ノラン・ブッシュネル氏(アタリ社創業者、元会長)
・大墻 敦氏(NHK 衛星放送局制作部チーフ・プロデューサー)
・岩谷 徹氏(株式会社ナムコ インキュベーションセンター コンダクター)
・上村雅之氏(任天堂株式会社アドバイザー、立命館大学教授)
第2部 「ゲームデザイン・テクノロジーの今と未来」
・宮本 茂氏(任天堂株式会社専務取締役情報開発本部長)
・ロビン・ウォーカー氏(Valve Corporation, Design Lead)
・小島秀夫氏(コナミ株式会社執行役員、小島プロダクション代表)
・浜村弘一氏(株式会社エンターブレイン代表取締役社長)
閉会挨拶
・長田豊臣(立命館総長・立命館大学長)
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