今月の参考文献要チェック!
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 ムービー・マーケティング
〜映画宣伝の魔術 夢を語る技術〜

ティーウラック(著) サクラアキコ(翻訳)/B!インターナショナルブックス/2003年

 

  当然のことだが、どんなよい作品でも無数の作品の渦に埋もれ、誰にも見てもらえなければビジネスとして意味が無い。映画が持つ特性を見極め、ターゲットを絞り、どういう手法で売り込んでいくか試行錯誤していく様子が、データ、関係者インタビューなどから感じとることができる。

本書は大部分に分けて@大手映画配給会社 Aスペシャリティ(特殊)映画配給会社 BB級映画配給会社を扱い、ぞれぞれのマーケティング手法を実際に興行された映画を基に解説していく。例えば大手映画配給会社は大量販売できる映画を求め、莫大な資金でテレビ、ラジオ、新聞で全国的キャンペーンを行い、ある時にはバーガーショップとタイアップして映画を広めていく、一方スペシャリティ映画は限られた予算の中で宣伝上映、無料パブリシティ、映画祭上演、批判、好意的口コミ拡散を目的として、大々的な宣伝はせず売り込んでいく、という具合である。

映画とはシビアなヒットビジネスであり、劇場までいかに客に足を運ばせるか、そのための仕掛け作りがいかに大変かということが本書から確認することができた。

本書は映画に関心がある人のみならず、コンテンツビジネスに関わる人にお薦めしたい一冊である。

<目次>

1、ロマンティック・ストーリーマーケティング

2、アメリカンインディペンデント映画のマーケティング

3、アクション・アドベンチャー映画のマーケティング

4、ドキュメンタリー映画のマーケティング

5、インディペンデント及び外国映画のマーケティング

6、低予算、B旧映画のマーケティング

7、サスペンス・スリラーのマーケティング

8、自主配給マーケティング

9、カミング・アトラクションズ:予告編制作

10、黒人映画作家による黒人テーマ映画のマーケティング

11、マーチャンダイジングとプロモーション



(文責・遠藤)


 
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