『game++(げーむぷらぷら)4』レポート3 パネルディスカッション 新清士氏・ディスカッション【野々垣・三浦・奥村】

■日本型ゲーム人材育成の姿は
 行政、企業、NPOそれぞれの立場からの意見を受け、ディスカッションは「日本のゲーム人材育成はどどのようなモデルになるのか」というところから始まりました。細井氏から日本のモデルは韓国のような政策的リーダーシップによるものでもIGDAのような草の根的なものにもならないのではない、またプロデューサー育成は日本のモデルになりうるのか、という問題提起がありました。キム氏は、ゲームクリエイター、プロデューサーは東洋的な考え方における、総合的能力を持つ人材であると指摘し、建築学科のような人材育成モデルがありうると意見がありました。片岡氏は、クリエイターの技能はある程度の標準化による制度化、徒弟的な伝達がありうるがアイディア、クリエイティビティの部分は政策的なサポートではなく国の教育制度そのものから変えなければならないのではないか、と述べられました。松浦氏からは、クリエイターとプロデューサーが七音社ではグループウェアの活用などによって密に意見を交換し合って仕事を行うが、一般的な会社でそのような徒弟的人材育成は縦割りの社内文化や仕事の機密性の保持から難しいのではないか、と指摘がありました。新氏からは世界的にもプロ

デューサーは養成できないものとして認識されているがそのノウハウを求めたときに取れる仕組みがあり、たとえばゲーム制作のプロジェクトを評価・分析した論文が多数あることなどを紹介してもらいました。

■ゲームにおけるオープン化はありうるのか  細井氏からの次なる問題提起は、個別の指向性が高く、技術的な進歩も激しいゲーム産業においてオープンソース的な動きはありうるのか、それによって産業はどのような影響を受けるのか、というものでした。新氏からは日本においてもツールの標準化が起これば4thパーティ的にフリーでゲームを公開する人が増えるのではないか、それは日本で盛んな同人誌、コミックマーケットのようなものだと意見がありました。松浦氏は、音楽業界の動きのように、インディーズにおける手売りのようなゲームの発表の仕方も増えるのではないかと指摘しつつ、”パラッパラッパー”を世に出したときの業界内へ大きな刺激を与えたような動きを起こしていくことも必要だと述べました。片岡氏はアンダーエコノミー、P2P的な動きは少なからず起こりうるだろうが、政策としてはいかに産業として育てていくかが重要であると述べました。

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