『game++(げーむぷらぷら)4』レポート2
パネルディスカッション 片岡宏一朗氏・松浦季里氏
【山本】

■七音社について
 ゲーム「パラッパラッパー」でお馴染みの松浦季里さんは、大学在学中からCGに興味を持ち活動を展開する。音楽家松浦雅也氏とそれぞれの活動からマルチメディアタイトルを制作し、ゲーム制作を始める。元祖音ゲーと評される「パラッパラッパー」を初め、「ビブリボン」や「ケロリカン」など二年に一タイトルくらいのペースで制作に取り組んでいる。最新作は、「70万倍速人麗子」という電話を掛けて音声で人間の70万倍の速さで成長する麗子を育成するゲームである。バンド的なプロジェクトベースの物作りなので、プロデューサーを中心としたコラボレーションによって作品を作り出している。社内の様子をビデオで垣間見させていただいたが、まさにそれぞれが自分の役割を生き生きとやっているという雰囲気。ファン(楽)が溢れている。特に印象深かったのは、パラッパラッパーが好きで一緒に働きたいというメールをアメリカから送って採用されたというエピソード。このように様々な人が関わっていくプロジェクトが上手く回るための装置として、WIKIというフリーのグループウェアを利用し、アイディアや各仕事の進捗状況などを随時共有している。

■ゲームをめぐる人材育成について
 このご時世、七音社も例外ではないと言う。昔と違って、悠長にインターンを受入れて育成するような余裕はなく、即戦力になる人材を採用する。その際どのような人材が必要であるかと言えば、専門分野は言うまでもないが、それプラスコミュニケーション能力となる。プロジェクトを一緒にやっていく以上は、専門性だけでは駄目であるのだ。それに付随して、生み出すためには、柔軟な思考力や自己活性力、自己管理能力も求められる。七音社ではそういった能力が備わっていれば誰にでも門戸を開いている。一方で学生の使えなさを嘆く。専門学校を出ただけではどうにもならないと。専門学校では、技術云々ではなく、人間とは何か?生きるとは?といった根本的なことを教え込んだ方がいいのではと人材育成のありかたを問う。ゲームは、科学・理論や産業・技術、芸術・娯楽という三つの領域にまたがっており、専門分野以外への理解も必要となってくるのである。

■まとめ
 七音社は非常に小さい会社であるので、一般論としてではなく七音社の場合として話をされた。CG業界では情報交換や人材流動は当たり前

(前ページへ戻る)(次ページへ続く)

  GO Back / Lecture