ゲームぷらぷら2 セッション3
「ゲームと社会〜アカデミズムとしての可能性〜」
【吉野】

■セッションの概略

 game++2の締めくくりとなるセッション3は「ゲームと社会〜アカデミズムとしての可能性〜」と題して行われました。このセッションはテレビゲームについて社会心理学、経済学、そしてソフトウェア工学といったように学問的なアプローチをなさっている三人の先生方によるシンポジウムでした。
 パネラーの先生方はお茶の水女子大学大学院の坂元章助教授、京都大学大学院の松井啓之助教授、そして佐賀大学学術情報処理センターの松原義継技官の三名です。まずそれぞれの先生方がご自分の研究についてプレゼンテーションされ、その後質問の時間をとるという形式で進められました。

■ 坂元先生 テレビゲームへの社会心理学からのアプローチ

 まず坂元先生はテレビゲームに関する社会心理学分野での調査研究の実情について述べられました。現在テレビゲームに利用に関してその効果や影響については未だしっかりした方法論が形成されておらず、それらの必要性について述べられました。そしてその方法論についてジャーナリストや関係各所が正確に認知する必要があるということです。
 その後お話しはテレビゲームに関して見本となるような研究がなされたいない現在では基礎研究者と実践研究者の
共同研究の必要性と研究者の養成システムについて改善の余地があるという方向に進みました。そしてそれらの実際の研究についても多数の実験やパネル研究を行うことで様々な因果関係について調査すべきであると述べられました。
 最後にテレビゲームに関する研究の方法論をジャーナリストや研究者以外も認識し、様々な応用研究にも目を向けていく必要があると飛べられました。

■ 松井先生 ゲーミングシミュレーションからのアプローチ

 松井先生はまず始めに日本ゲーミングシミュレーション学会について触れられました。ゲーミングシミュレーションとは社会の様々なことを抽象化したゲームを、人間の意思決定を作用させたシミュレーションとして研究を行う方法論だということです。
 次のその利用方法についてゲームそのものが研究対象である場合、研究ツールとしてゲームを扱う場合、そして教育ツールとしてゲームを扱う場合と三つのゲーミングシミュレーションの利用方法について話されました。一つ目の場合は経済・経営分野での新たなビジネスモデルの研究や人工知能などを通してのソフトウェア工学などに利用される場合。二つ目は社会や経済など複雑な構造のものに対しての方法論としてゲーミングシミュレーションが利用される場合などを指します。この手法では統計的な手法や方程式的な手法、マルチエージェントの
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