ゲームぷらぷら2 セッション2
「遊びとインタフェース〜インタラクティビティとしての可能性〜」
【福田】

 セッション2はテレビゲームにとって、非常に重要な要素である、遊び、インタラクティビティといった要素について、東京芸術大学先端芸術表現科教授の藤幡正樹先生、ATR知能映像研究所の岡田美智雄先生、GAP代表でもある、立命館大学政策科学部助教授細井浩一先生の3人のパネラーに語っていただきました。

■岡田美智男先生

 細井先生によるこのセッションの簡単な説明につづいて、1番手のパネラーであるATR知能映像研究所の岡田美智男先生のお話です。以下はその簡単な内容です 。
 テレビゲームを遊ぶことによって日常から離れて行く感覚を持つことと違って、より日常に目を向けたコミュニケーション(遊び、雑談、幼児の遊びなど)を題材にして研究している。

 人々は効率さ、正確さの中にいきるため、職場で教室で家庭で、受け手と発信側といったかたちで情報的に非対称な関係に生きている。しかし、たとえば電車の中では、常に回りの目を気にしたりするなど、人々が環境から自分の立場をおしえてもらっていることがわかる。  あそびには、他者の参加を要請しつつ、自身も参加を競うことによって遊びの輪をつくるっといった要素がある。またコミュニケーションには、情報をやり取りするというだけでなく、やりとりを通じて社会性、立場の認識をさせるというように、関係性、関係形成のためでもあるといえる。
 「TalkiingEye」等を使用したコミュニケーションのあり方といった観点からのお話でした。  実際的にゲームの話があったわけではありませんでしたが、コミュニケーションといった観点から考える「遊び」という点において、よりよいキャラクターの作り方やインターネットなどをつうじたユーザー同士のコミュニケーションの可能性について考えさせられました。

■細井浩一先生

 つづいて、GAP代表でもある立命館大学助教授細井浩一先生による遊び、インターフェイスの活用を「京都陣取りゲーム」を通じてのお話です。

 日本には昔から外圧によって新たなことを始めてきた。それは例えば黒船であり、インターネットの誕生であるといえる。インターネットの誕生によって日本の文化財の保護ということが必要になってきているという背景のもと、デジタルアーカイブの必要性が急速に拡大している。デジタルアーカイブの題材を考えた場合、文化のあり方、社会的な活用性といった要素が非常に重要になってきている。
 あそびとインターフェイスという観点から地域性というものを考えたとき、京都の場合、観光は非常に重要な要素である。観光といったもののあり方の問題が出てくる。ここによりダイナミックに楽しむために、プレイ(探求と発見)の仕組みとインターフェイスというふたつの要素を取り入れてみる。ここでは、碁盤の目の形である京都の町を
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