ゲームぷらぷら セッションA その2
 インタラクティブメディアとしてのテレビゲームとその可能性
【砂】

 「型どおり」を身につけるところが日本の教育のよくないところであって、子供にとって「型がみえてしまう」のは良いことなのだろうかと疑問が大岩先生からだされた。太田先生からは日本の能などもそうだが稽古は型の学習から始めるといえるし、型があるから型を破ることができること。また牧野先生から漫画にもカートーンといわれるジャンルでは、「牢獄からいかにして抜け出すか」等決まったテーマに取り組むという型があることが紹介された。たしかに、学びの最初に型からはいるのは基本であるようだ。大岩先生は型の教育は日本の産業教育が成功したものであり型をマスターする人間を作ることへの疑問をお持ちで、音楽教育を受けた経験(日本の音楽家も型の勉強=技術を最初につよく学ぶが、欧米は逆で表現したいコンセプトと表現の関係を最初に学ぶ)から、コンセプトやコンセプトと表現の関係を考える教育ができることが大切だという意見である。教育・学びのなかで型は重要であるし、同時に学ぶ側が型で力つきてしまう危険もある。牧野先生が整理されたように、創造性とは何かという問いにたどりつく問題で、型を見せるか見せないかは学ぶ方の成熟度にあわせることになるのだろう。

■質問から

 視点を変えてビジネスの面からないですか? というモデレーターの野々村先生の誘導から、教育とエンターテインメントをあわせた部分において、エンターテインメントのプロ(ゲーム制作者など)は参加しないのか? と
いう質問が出た。 太田先生の2+1システムはほとんどエンターテインメントの領域の人材でつくっているとのこと。大岩先生は、産業界は大学をもっと活用する〜少なくともアイデアレベルやプロトタイプの段階ではもっとアマチュアをつかうべきだと強調され、牧野先生はソフト面の産業協力はこれからひろがって行くだろうとコメントされた。

 今回のパネラーの方々は全員教育に関係する仕事をしているという共通部分がありそこに話題があつまったが、バックグラウンドの違いからの視点の広がりやそれぞれの優先順位の付け方など姿勢の違いを十分に感じることが出来た。
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