東京視察3日目レポート ワタリウム美術館と東京オペラシティアートギャラリー【真下】 |
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■東京オペラシティアートギャラリー
東京オペラシティーアートギャラリーの『宮島達男展』では現代美術作家宮島達男氏の作品が数点出展されていました。作品は主にビデオやプロジェクターを用いた映像と、作品の多くに共通して用いられたデジタルカウンターからなるインスタレーションにより、『時間』や人間の『生と死』にまつわるテーマで構成されていました。東京オペラシティアートギャラリーはICCと同じ建物内にあり、現代美術やインスタレーション作品を多く展示する展覧会場です。 牛乳に顔をどっぷりとつけた人々が突然顔を上げて10〜1までをカウントダウンし、再び顔を牛乳に浸すことをただただくり返すパフォーマンス映像『Counter Voice in milk』や、暗く広い空間に、生命になぞらえた青く光るデジタルカウンターが何百という数で壁に整列し、ある時点で全てのカウンターが完全に消灯(大量死)し、数分間真っ暗になったあと、再びぽつぽつと点灯しカウントを始める『Mega Death』などは特に印象的でした。 宮島達男氏は1998年のヴェネチア・ヴィエンナーレで注目を浴びた日本を代表する現代美術作家で、今回『GAME OVER展』にも参加していました。発光ダイオードを用いたデジタルカウンターが主でしたが、今回は他にパフォーマンスやコンピュータグラフィックを用いた新しい展開の作品も見ることが出来ました。 |
■まとめ
ワタリウム美術館と東京オペラシティアートギャラリーは共に現代美術の重要な発信源として有名ですが、普段文献や資料でしか知ることができなかった最新の芸術分野の動向と展開を、実際に生で見ることができたことは貴重でした。現代美術では近年インスタレーションや固定された形を持たない作品が増え、また映像や最新のテクノロジーを扱った展開も増えていて、今回はテレビゲームに関する直接的な物はありませんでしたが、テレビゲームのもつインタラクティビティやメディアとしての特性が今後扱われていくのではないか、その余地が十分にあるのではないかと感じました。 |
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