ゲームぷらぷら セッションB 著作権法改正がゲーム産業等に与える影響について【伊豆田】 |
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していた(もちろん法的根拠はいまのところ無い:筆者注)ということを挙げて、坂田氏にこの新しい権利の可能性を問いました。
坂田先生は、確かにプログラムもしくは映画どちらの定義にもゲームソフトの著作権法上の権利を当てはめることは無理が生じているということは否定できないとしたうえで、そういった新しい権利を仮に認めるとするならば避けては通れないであろういくつかの重要な問題点を挙げられました。 まず一つ目は権利の集中処理の問題です。現在、一本のゲームソフト開発には一般的に数十人から数百人もの人たちが各々の力を出し合って創作活動を行っています。この人たちの権利処理をどのように行うか、例えば音楽におけるJASRACのような機関があると良いのですがまだそれに類するものは存在しないということです。 次に挙げられたのは、著作権で保護されるのはあくまで表現であって、プログラム上のアイディアは保護の対象ではないという点です。プログラム著作物の場合も現在はソースコード(いわゆる01情報)ははっきりと著作権法上の保護の対象となりますが、例えばフローチャートなどはどのレベルまでが表現でどこからがアイディアなのかということが明確には決められていません。それと同じ問題が「ゲームソフトの著作物」でも起きる可能性を示唆されておりました。 坂田先生はこの他にも特許権との兼ね合いや、リバースエンジニアリングといったテクニカルな分野で、どこまでを合法・非合法の境とするのかなどといったたくさんの問 |
題点のあることを指摘され、また各々の問題につ
いて現状と解決に向けての道筋を開く議論を大瀬戸先生と交わされました。
■結び 現在、日本はテレビゲーム産業の分野において世界に冠たる地位を占めています。しかしながら、今後もその座を守りそして新しい遊び・楽しみを世界中の人たちに提供し続けていくためには、著作権を初めとする知的所有権制度について直接の事業者以外に一般消費者の側もある程度の理解が求められるのではないでしょうか? 事はゲームソフトに限りません。これからデジタル著作物は増大する一方ですし、インターネット設備が全国の公立学校に整備される日ももうすぐです。この様な社会において、少なくとも今回の対談のような内容を国民一人一人に伝えることは、日本の未来において急務だと感じました。 |
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