第5回ゲームサロン
『子供の教育における遊びやゲーム活用の可能性』
講師 編集工学研究所 太田裕之氏
【砂】

(3)Captaは他の情報とつながるルールがある

ということを学びとり、情報編集力や物語力を身につけることを期待しているそうです。
 これらを実現し、生徒たちが遊ぶために重要になるのが、プレイヤーのロール(役割)とゲームのルール、ゲームを遊ぶためのツールの3つの要素で、それらの生成と変容を管理しているのが「seahourse bay server」 サーバーは港の環境を作りだしていると言えます。

■世界各地のシンデレラ

 もうひとつのテーマである「物語」については、研究分野として確立していたものだそうです。
 冒険物語の要素や展開にみられるパターンを整理した図をみせていただくことができました。
 また、物語を構成する要素は、ワールドモデル(世界構造)、ストーリー(スクリプトやプロット)、シーン(場面)、キャラクター(登場人物)、ナレーター(語り手)、と整理できるそうです。
 このような分析はゲームの分析にも応用できるのではないかと感じました。
 「2+1」プロジェクトにおいては、「sea hourse bay」の中で遊ぶ子供達が、みんなでその港の物語をつく
っているという感覚をもたせるようにしたいと考えているそうです。

■99年秋に実験

 「2+1」システムは既存のいわゆるエデュテインメントソフトと本質的に違いがあるのか? 教育効果の評価の方法はどうするのか? といったあたりが講演後議論になりました。
 既存の学習にゲームっぽい遊びの要素をいれて、生徒のやる気をひき出したり、国語算数・・などの今までどおりの科目の「学ぶ効率」を上げたりするのが、いわゆるエデュテインメントソフトのパターンですが、「2+1」は情報の海を泳げる情報編集力を養成するにはどうしたらよいかを知るためものであり、スタンスが違うといえるでしょう。
 「2+1」実験の評価のポイントとしても
・システムとして狙い通り動いたかどうか
・教育的に有効性がありそうか
・発展性はどうか
といった面を考えているそうです。
 99年秋の実験にむけて現在開発中なので、実際に「2+1」を見ることは出来ませんでしたが、どんなものが出来上がるのか非常に楽しみです。
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